見たことも釣ったこともないという若者がいるアイナメ
私にとってアイナメはいろいろな思い出がある魚です。
小学生の頃は北九州市の若松区の脇田漁港で、渓流竿でのウキ釣りで25センチぐらいのアイナメを良く釣りました。
20代後半に東京に転勤して、羽田空港の近くの城南島でカラス貝のムキ身で型の良いアイナメを爆釣した記憶があります。多くの釣り人がボウズの中、30匹ほど入れ食いでした。^^;
箱崎埠頭でカレイを釣っている時も30センチオーバーのアイナメが釣れることは、珍しくも何ともありませんでした。
渓流竿にミニクロガイドとリールシートを付けて沖防に渡り、モエビをエサに1投目から釣れたのが39・5センチ&870グラムのアイナメでした。
また秋口には、姪浜漁港で25センチほどのアイナメが毎回二桁落とし込み釣りで釣れていました。
須崎埠頭や箱崎埠頭でも、アオムシをエサにして際に置き竿をしておくだけで簡単に釣れた魚でした。
そんなアイナメなんですが、最近釣り場で顔見知りになった青年が「アイナメを釣ったこともなければ、見たこともない!」というのです。
そう云われてみると、それが今現在の博多湾の湾奥の現状なのかもしれません。
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博多湾の湾奥では幻の存在になってしまったアイナメ
地球温暖化による海水温の上昇のせいなのか、人工島の埋め立てによるせいなのかは分りませんが、人工島の埋め立てが始まってから数年ですっかり姿を見なくなったのがアイナメです。
20年ほど前までは博多湾内ではハゼと同じレベルで、誰でも簡単に釣れる魚の代表選手でしたが、今ではすっかり幻と化しています。
カレイも激減しましたが、アイナメも激減して、博多湾のレッド・データーブックの絶滅危惧種の仲間入りを果たしたのではないか?と思えるほどレアな存在になってしまいました。
落とし込み竿で釣ると、マシンガンのような小刻みなアタリがあり、その後グイグイと竿先を絞り込んでいきます。
アワセをいれると、首を振って抵抗する引き具合が伝わってきます。
釣り上げるとすぐに死んでしまうのもアイナメの特徴で、ビクの中に活かしておいても、たいていは変色して死後硬直で、まっすぐにピンとなって死んでいます。^^;
生け締めした30センチオーバーのアイナメの刺身はとても美味しく、煮付けも実に美味しい魚だと思います。
我が家では20センチ以下のアイナメは唐揚げにして、南蛮漬けにしていました。
30センチを超えるアイナメの身でしゃぶしゃぶをするのが我が家の慣わしでもあったのです。
年に数回アイナメが釣れることがありますが、今となっては博多湾では狙って釣れる魚ではなくなりました。
40センチを超える大型のアイナメも博多湾内では釣れていたんです。
環境破壊と言う言葉を耳にすると、真っ先にアイナメやカレイのことが頭に浮かびます。
秋口から春先にはあれほど釣れていたアイナメが、今は宝くじに当るような存在です。
なので、ごく稀にアイナメが釣れると、嬉しさ、懐かしさと一抹の悲しさを感じてしまう魚です。
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